夢がここから始まるよ。アニメラブライブ !虹ヶ咲 後半感想(3rdライブを見る前に)
以前、所謂個人回(1〜9話)を視聴した感想を書いたので長らく放置していた残りの感想を書き残しておきます。3rdライブを見たらまた気持ちが変わってしまうので今のうちに。
何故、放置していたのかといえば明確な答えがあり、12話の展開が腑に落ちなかったことに尽きます。
10話、ラブライブシリーズでは鉄板の合宿回。
同好会の10人が姦しく合宿を楽しむ内容で1クールの中では箸休めの回です。
とはいえ、10人目である侑のピアノの上達を描き、ラブライブ大会出場に代わる同好会全体の目標としてスクールアイドルフェスティバルを発案する描写は、個人回で発散した物語が侑を中心として収束に向かう展開を予期させます。
1話以来侑に強くスポットの当たった回と言っても差し支えないでしょう。
侑がスクールアイドルに出会い、変化が如実に表れるようになった事で、歩夢から侑への違和感も濃く描かれており今後何かあるんだろうと思わせるのもいい匂わせです。侑の水着はダサいけど。
11話。リアルタイムで見て怖くなった回です。
大筋としてはスクールアイドルフェスティバルの実現に向け、侑や同好会が(お台場を)東奔西走する回。個人回で出てきたスポットが再び出てくるのが彼女達の生活圏を表現していて良いですね。
フェスに向けてそれぞれが前向きに行動する中、これまでの以上に露骨に描かれる歩夢から侑への憂いの込められた目線。これで何も起きないはずはなく...。
遂に、と言うべきか、感情の爆発した歩夢が侑を押し倒してしまうシーンでこの回は幕を閉じる。
忌避されるかもしれないような危うい感情をここまで鮮烈に描くのか、と唖然としました。
「私の夢を一緒に見てくれるって約束したよね」
「侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい」
「私だけの侑ちゃんでいて」
1話のラストで感動的に伝えていた「私の夢を一緒に見てくれる?」という問いかけの真の意味がどれ程恐ろしいものなのかとハッとさせられました。
可愛いものが好きで、でもそれを1人で表現するのはこそばゆいからスクールアイドルとして頑張る私を応援してね。1話時点ではその位の意味合いに捉えていました。しかし、歩夢にとっては一世一代の告白レベルの宣言だったのです。
歩夢というキャラクターの重さを誤解していたと痛感する11話でした。
さて、ここからどう決着をつけるのか!?と期待が高まる一方でした。12話を見終わるまでは...。
12話アバンでは、衝撃的な事件があったにも関わらず、自然と腕を絡ませてくる歩夢に恐怖します。
侑と歩夢がすれ違っていようが、フェスに向けて準備は着々と進む様子が描かれます。しかし、2人の間のわだかまりは解けません。
侑が夢について語ろうとするのを拒絶する歩夢。
ずっと寄り添ってきた幼馴染だからこそ、スクールアイドルに出会ってからの侑の変化、そして2人の関係の変化に耐えられないのだろうと予想できます。
そんな変わりゆく今、未知の未来を恐れる歩夢を強調するように、他の8人が順調なフェスの準備も歩夢だけは進まない。
しかし、せつ菜からアドバイスを貰い、変化に対して前向きになった歩夢がファンや侑の力を借りてステージを完成させ、1話と同じマンション前の階段で2曲目を歌うという流れ。イイハナシダナー。
個人の感想としては、後半の展開は期待未満でした。もっとドロドロした話になるのかと思いきや、侑本人が歩夢の問題の解決に苦慮しなかったことで期待外れの印象を受けました。
歩夢が侑の変化に対して否定的だったのは、歩夢にとって元々侑1人だけを指していた"大切なもの"にその他のファンが加わるようになり、その変化を誰よりも歩夢自身が恐れていたからだと物語からは読み取れます。
歩夢は「侑と歩夢」の2人の世界を何よりも大切にしているからこそ、その世界を脅かす存在に敏感なのでしょう。
それは一塊の女子高生である歩夢にとっては、彼女の生き様といっても過言ではないはずです。
しかし私がこの展開に納得できなかったのは、せつ菜の「始まったのなら貫くのみです!」という言葉が歩夢の認識を変えるほどの説得力があるとは感じませんでした。(例えば、ここで1話のリフレイン的にChase!が流れて歩夢が回想するような演出があれば納得できたかも?)
前に進む程、見える世界が広がるほど大切なものが増えていくのも、普遍的な話です。
歩夢にとっての世界が「私と侑ちゃん」から「私と侑ちゃんと私を応援してくれる人と...」に変わったのであれば喜ばしい事です。でも、その世界を変えるのはせつ菜ではなく侑であってほしかった。
11話の引きで問題になっていたのは「あなたと私」であったはずなのに、その解決の手口が第三者の一言、それも以前の話数では恋敵の様に扱っていた相手の言葉では、私個人としては満足のいかない展開でした。
最終話、放送当時は12話の感想を引きずってマイナス寄りに視聴していましたが、今見ると少し見え方が変わります。
この回も雑なカップリング要素やアクシデントの陳腐さなど決して良いとは言えませんが、1クールのアニメを通したメッセージは存分に伝えられていたと思います。
侑と歩夢がスクールアイドルと出会い、トキメキを感じた1話。
同好会の各個人の抱えた悩みや問題に向き合い、その末にソロのステージをやりきった2〜9話。
侑発案のスクールアイドルフェスティバル開催に向け準備し、並行して歩夢の憂いを昇華させた10〜12話。
そして13話ではフェスを通じてアイドルとそのステージを楽しむファンを描き、最後の9人揃ったステージでは侑(視聴者の分身)を一般モブキャラクターのファンと同じ観客席に据え、「あなたへの感謝を伝える歌」「あなたの夢を応援する歌」が披露されます。
そして、侑が音楽科への転入試験を受ける場面で物語は幕を閉じます。彼女の見つけた夢への一歩を踏み出すシーンで。
詰まるところ、この物語は同好会の10人を通して「夢」を描いていたのです。
EDテーマも1話の時点から「夢が見たいんだ」と歌っていました。
自己実現なんて口にするのも気恥ずかしいものですが、このアニメが、9人のスクールアイドルが、画面の前の「あなた」に勇気を与えられたら、きっとそれ以上に素晴らしい事なんてないのです。
このアニメは決して万人が100点を付けるようなアニメではありませんでした。それでも、最後まで見て良かった、元気を貰えたアニメであった事は間違いありませんでした。
「ラブライブ!」という作品が築いた地位に胡座をかくような事のないメッセージ性ある作品を作ってくださった制作陣に感謝の気持ちでいっぱいです。
明日のライブも、楽しみにしています。
CUE!サービス停止発表に寄せて。「次世代声優育成」ってなんだろう。
本日(2021/2/27)、私がリリース当初よりプレイしていた、次世代声優育成ゲーム『CUE!』のサービス停止が発表されました。
リリース前から興味を持ち、それなりに課金もしていたゲームが終わるというのが初めての経験なので、メンテ中に誤ってログインできてしまいフライングで情報を知った昨日深夜は割と動転しておりました。ゲーム単体では継続が怪しい部分もあったのですが、リアルイベントや楽曲展開の方は好調に見えていたので唐突な発表に驚きました。
公式発表文を素直に受け止めるのならば、
"2019年10月より運営してまいりました次世代声優育成ゲーム『CUE!』は
日々アプリを改善し、より良いゲームとするため尽力して参りましたが、
運営チームでは現在実施している以上の改善が必要と常々考えられておりました。
昨今の世の中や運営の状況も考慮した結果、
アプリの改善に全力を尽くすため、2021年4月30日(金)12:00をもちまして現サービスの運営を終了とさせていただきたく存じます。
現時点で再開の時期を明確にお伝えすることはできませんが、これまで約1年6ヶ月に渡り支えてくださったマネージャーの皆様には、心よりお礼とお詫びを申し上げます。アプリ運営が再開した際には、アニメと共に新たな体験がお届け出来るよう全力を尽くして参ります。"
との事で、すでに発表済みのアニメ化やCDリリース・ライブ等の活動でIP自体は継続し、アプリもより遊びやすい形で再リリースされる可能性も残されています。
出演声優からも前向きなメッセージが発信されていますし、そこまで悲観的になる必要はないのかもしれません。
しかし、これで愚直に「応援しています!」と言えるのならばこんなブログは書いていません。本題に移ります。
私の主張は、運営はこのゲームのジャンル「次世代声優育成」を諦めないでほしい、という一点に集約します。
サービス停止の間、作中のキャラクターである声優と現実で演じている声優の間のギャップはどう埋めていくのでしょう。このコンテンツの片翼であるキャラクターをないがしろにしないでほしい。
ここを解決できるモノを、今後の運営チームに提示してほしいです。
詳しく説明します。
CUE!のメインキャラクター16人は、同じ事務所所属の新人声優という設定です。そして、演じているのもまた、新人と言って差し支えない女性声優16人です。このゲームの意欲的な部分であり魅力だと感じています。
ゲーム内のキャラクターが声優として成長していく様をストーリーで体験しながら、その演技やリアルイベント等でも演者側の成長も感じていく、その様な楽しみ方を想定されたコンテンツです。(少なくとも私はその認識で楽しんできました)
フルボイスのストーリーや作中劇のアニメでの「演技」は勿論、現代声優には避けて通れないマルチな活動もあります。
作中劇の主題歌や事務所で推しているユニットという形で「音楽」展開を行い、リアルでもCDリリースや「イベント」を行っています。また、一部メンバーではありますが、超A&Gというネット局で「ラジオ」も担当しています。
流行りの2.5次元的な要素をうまく昇華できていると思います。
リリース前から展開されていた音楽展開は注目に値するもので、私も音楽からこのコンテンツの存在を知りました。しかし、実際にリリースされたアプリはゲームとしてはあまり評価できるものではありませんでした。楽曲とキャラクターの魅力がなければそこでやめていたかも知れません。しかし、ストーリーの質やゲームのUIは徐々に改善されました。
昨年はコロナによる苦境もありましたが、CD販売の数字も決して悪くはなく、昨年開催されたライブではアニメ化も発表されました。
追加されたメインストーリーで描かれている季節は春から冬へ一巡し、1.5周年を迎えるタイミング、現実の季節が春を迎えると同時に作中の時間も次の春へ進み第2部が始まる。いちプレイヤーとしてそんな風に考えていました。
しかし、作中のキャラクターに”次の春”は来なかったのです。
3月末の課金サービス停止、4月末のアプリのサービス停止の発表とはそういう意味だと私は受け止めました。
一方、リアルでの展開は止まっていません。来る4月21日には、このCUE!から1stアルバム「Talk about everything」が発売されます。8月には次のライブが計画されています。
キャラクター展開として残っているアニメ化は続報待ちのため放送時期は発表されていません。(キービジュアルや監督等は発表済)
これらの展開が"次の春"の準備になっていることを願います。
最新メインストーリー、Season1.3では「声優を目指している人に向けてのメッセージ」を求められ、その回答について悩むキャラクターたちの姿が描かれました。
現実だって、CUE!のコンテンツ事情なぞお構いなく新規コンテンツはやってきますし、
新人として起用された演者も少しずつ若手、中堅へとポジションを変えていくことになります。(もしくは、声優を諦める、というのも可能性の一つです)
このゲームがサービス終了する頃には、中の人16人がそこそこ声優として売れてほしいと、半分妄想、半分本気で友人と話したことを覚えています。
CUE!が終わっていいのは、少なくとも今、そしてライブのある今夏ではないと思います。
どうか「次世代声優育成」の名に恥じないように走り切ってくれることを願います。
コンテンツに傾倒したオタクからのメッセージでした。
2020年、オタクが選ぶ聴いて欲しいアニソン10選
みなさま、年の瀬をいかがお過ごしでしょうか。
今年はアニサマをはじめとするアニソン系フェスや個人ライブが軒並み中止や配信への切り替えになり寂しい1年でした。
個人的な音楽視聴の環境の変化として、アニュータを解約してSpotifyへサブスクサービスを変更しました。アニソン特化と謳っているアニュータですが、ソニー系などSpotifyでしか聞けないアニソンもあります。どっちも入るのが正解なんですかね。
それはさておき、早速今年リリースされたアニソンを紹介します。去年は余裕をもって書いてましたが、今年は紅白見ながら書いてます。計画的になりたいですね。
今年のアニソン今年の内に!
※アニソンの定義は独断です。
1. 瀬戸際 / 早見沙織
作詞・作曲も早見沙織さん。"瀬戸際"な感情が伝わる歌詞、揺れたくなるジャジーなメロディ。文句なしに今年一番の声優歌唱楽曲です。
2. NIGHT RUNNING / Shin Sakiura feat. AAAMYYY
アニメ「BNA」のEDでした。音楽的な良さは勿論ですが、OPの「Ready to/諸星すみれ」が明るい主人公とその周辺のドタバタを描いているとするならば、EDは主人公の秘めた部分・心情を歌っておりアニソンの役割を十二分に果たしています。EDアニメーションもビビッドな色遣いで印象的です。
3. ぐっばいおぶじぇくしょん / AiRBLUE Wind
大人気(?)アプリゲーム「CUE!」からの1曲。新人女性声優育成ゲームというニッチジャンルから恵まれた楽曲が連発されているので他の関連楽曲も聞いて欲しいです。
このゲームには花鳥風月の4チームがいるのですが、大人系のユニットとして設定されているWindにこの曲を歌わせるバランス感覚が好きです。
4. cue / halca
アニメ「彼女、お借りします」のED…のカップリング曲。オタクの好きな4つ打ちです。アニソンアーティストが歌っていればアニソン!もう一つのカップリング曲は特殊EDに使用されたのでちょっと期待していましたが残念ながらこちらは使われませんでした。後輩ヒロインの墨ちゃんを連想させる歌詞もあるので2期にも期待を残しておきます。
5. Rainy lain / ミュウ(CV.高橋李依)
今年春の放映されたアニメ「LISTENERS」は実在のアーティストをリスペクトした作品で、毎話アーティストやその楽曲のイメージがストーリーに織り込まれていました。EDも毎話別のモノが用意されており、一番好きなのがこのRainy lainです。この曲が使われた第5話「ビートに抱かれて」はプリンスのモチーフが多数登場していましたが、プリンスの音楽とこの曲を比較するのは…ナンセンスですね。
6.HATENA / PENGUIN RESEARCH
異世界転生ガンダムこと、ガンダムビルドダイバーズRe:RISEの2期OP。1期はリアルタイムで追っていなかったのですが、全話配信のおかげで追いつけた作品です。ガンダムビルドシリーズの面白さが詰まってましたね。この楽曲も作品の勢いに負けないアツさがありました。曲を聴くだけでOPの映像が頭に浮かび、内容が想起されます。アニソンの良さですね。
7. Sacred world / RAISE A SUILEN
今年現地で聞いて一番アガったアニソンです。それ以上の選出理由はいらないと思っています。昨年のアニサマはRASが1曲で終わったのがとても残念だったので、リベンジと称して山梨某所の野外ステージ、デカい音で盛り上がれたのはあの夏最高の思い出になりました。
8. VIVID WORLD / 朝香果林(CV.久保田未夢)
次は今一番野外のデカいステージで聞きたい曲です。虹ヶ咲のアニメは昨年制作が発表されてからとても楽しみにしていました。先日最終回が放送されましたが、新規ファンもついたんじゃないかと思うくらい良い出来でした。
特にこの曲は作中に登場する9人のアイドルのソロ曲の内、最も最後に披露されましたこともあり、総決算的な文脈も合わさった結果最強です。詳しいアニメの感想は…別記事で。
9. 23時の春雷少女 / 鬼頭明里
最初に聞いたときの衝撃が忘れられない声優楽曲です。「Baby Sweet Berry Love/小倉唯」とか、「ギミーレボリューション/内田真礼」とか、声優楽曲には特異点のようなパワーを感じる楽曲があります。この曲がそれらに並ぶ可能性は十二分にあると思います。大きなアニソンフェスがなかったのが惜しまれます。
10. あたりまえだから / DIALOGUE+
今年、諦めずに生き続けられたのはDIALOGUE+のおかげかもしれません。
レコーディング含め制作はオンラインで行われ、制作過程もTwitterで逐次紹介されていました。その様子、そして生まれた音楽はしがないオタクにも勇気をくれました。
今追いかけていて一番ワクワクさせてくれるのはDIALOGUE+です。断言します。来年1/10の配信ライブは1000円で見れます。この一年でも諦めることなく挑戦し続けた彼女たちを見てください。
番外. 夜明けBrand New Days / 鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)
オリジナル楽曲ではないのですが、紹介したいので今年もこのカバーソング枠を設けました。
生田さんは声優として活動する一方、PENGUIN RESEARCHのボーカルとしても活動されています。そして、そこでベースを担当しているのは堀江晶太氏。kemuの名義の方が有名かもしれません。堀江氏がベイビーレイズJAPANに楽曲提供したのがこの「夜明けBrand New Days」なのです。解散してしまったユニットの曲がカバーで歌い継がれることはままありますが、このような形はとても美しいですね。
1曲でも刺さった曲があれば幸いです。
みなさん、良いお年を!
アニメ ラブライブ!虹ヶ咲 中間感想(個人回を終えて)
アニメ虹ヶ咲見てますか?
予想されていた方も多いですが、1~9話はニジガク9人のメンバーに順番に焦点を当てながらストーリーを展開していく所謂個人回の連続でした。
来週の10話からの展開も気になるところですが、現時点の感想を残しておきたいなと思い今回感想ブログを書くに至りました。
第1話 はじまりのトキメキ
つかみはバッチリ!と唸らせてくれた、いい意味で期待を裏切られた歩夢回。
ノルマともいえるキャラクターの顔見せをしながら、ストーリーの今後の展開を示唆する同好会廃部というキーワードが複数のキャラの口から出ているのは1話として及第点と言えます。
この回の魅力は終盤のマンション前での一連のシーンに詰まっています。
侑に振り回される歩夢という構図が、歩夢から心情を吐露し手を差し出すことで、二人の関係が一方的なものではなく肩を並べる形であることが視聴者にも印象的に伝わります。
一見、冒頭のせつ菜のソロライブから物語が動き始めたように思えるのですが、その前のショッピングシーンからの伏線(トキメキを感じないパスケース・ピンクの可愛い服)を終盤のシーンへ繋げていたと気づかされるのは脚本の妙ですね。
第2話 Cutest♡ガール
かすみ回。
おちゃらけたキャラクターでありながら"カワイイ"に拘りを見せる女の子。パン作りが趣味で「かすかす」呼びを嫌がるなどこれまでに形成されてきた”かすみ”像がしっかりと描かれています。
1話では不明であった同好会が廃部になってしまった理由も語られます。それは、せつ菜とかすみの目指すスクールアイドル像の不一致からくる不和によるものでした。かすみが自ら語ることで、せつ菜も自分と同様に強い気持ちを持っている事を悟り自省の念に駆られるのですが、侑との交流やPV撮影で語られる歩夢の思いを知ることで、かすみはその悩みを各個人の信念を曲げずにやっていける、"ワンダーランド"な同好会を目指す決意へ昇華させました。
虹ヶ咲のテーマでもあるソロアイドル重視の方向性に持っていける脚本でうまくやっているなと感心します。
また、果林先輩が同好会外の人物ながら、歩夢へのアドバイスやせつ菜が架空の人物である指摘をする事できちんと物語を進める役割を持っているのも良かったですね。
第3話 大好きを叫ぶ
せつ菜回。
せつ菜=生徒会長・中川奈々にとって「同好会における活動」とは「ラブライブ!を目指す」ことでした。作中の菜々によって語られていますが、このラブライブ!とは、シリーズではお馴染みのスクールアイドルたちが競いあう大会の事です。
スクールアイドルが大好きだからという素朴な気持ちから始めたはずの活動で、その熱意が空回りした結果、同好会は解散したようです。(せつ菜離脱により規則の部員最低5名を下回った?)
この回では「わがまま」という言葉が象徴的に使われています。
同好会内の空気が悪くなったのはせつ菜の自分の理想を押し付けるわがままな考え方から。そんな自分抜きで同好会を新しくやってほしいと願うのがスクールアイドル活動における最後のわがまま。
一方で他のメンバーがせつ菜が同好会に必要だと語るのもある種のわがままですよね。
そして一番の衝撃であった「ラブライブ!なんて出なくていい!」という、これまでのシリーズに反するような侑の言葉はせつ菜(と視聴者)の気持ちを揺さぶったわがままな発言です。
ただ、対話の中で直接相手に気持ちをぶつけているのが他の「わがまま」とは違うポイントです。
言葉にした事で"わがまま"な思いが伝わってせつ菜はスクールアイドルに復帰することを決意します。今度は、自分だけでなくみんなのダイスキが溢れた同好会を目指して。
第4話 未知なるミチ
愛さん回。
ラブライブ!に出なくてもいい!という発言から、同好会の活動方針を模索する回でもあります。
3話のせつ菜ゲリラライブに感銘を受けて同好会に入部する愛と璃奈。その二人を中心に据えた練習風景の中で、愛の人柄やハイスペックさを描写しています。
それぞれの良さ・持ち味を生かすためにソロアイドルをやろうという展開の中で、愛は明確な答えのないアイドルの世界に"一人"で立ち向かうという事実から不安にさいなまれるのですが、エマを通して他人からの評価を知りそれが自分の強みなのだと気付きます。(就活の自己分析みたいですね)
愛さんには楽しい気持ちを共有してみんなを笑顔にするアイドルになってほしいですね。太陽をつかめるのは、ラブライブシリーズにおけるオレンジ色の特権です。
余談ですが、この回は愛推し以外には比較的無味な回って言われても仕方ないかもしれないですね。愛の基本的な能力の高さやコミュ強具合は感情移入するハードルも高く、愛が悩む描写自体他の個人回と比較しても短い印象を受けます。愛自身はきっとランニングの間に思考を巡らせていたのでしょうが。。推している身としては今後掘り下げや活躍の場面があると嬉しいですね。
第5話 今しかできないことを
エマ回。果林にもスポット当たってます。
冒頭のシーンではスクールアイドルに憧れて留学してきたエマって行動力の塊なのでは?という気付く事が一番大事だったりします。
同好会活動を頑張るエマと、そのエマを応援する果林の関係は歩夢と侑のようでもありますが、同好会の輪からは一歩距離を置こうとする果林。しかし、その態度はスクールアイドルへの興味・自分の気持ちに素直になれていないことの表れであることがわかります。
偶然本心を知ってしまったエマは果林を街へ連れ出し「人の気持ちをあたためられるスクールアイドル」の第一歩としてすぐそばにいる果林の気持ちに寄り添ってあげて、無事果林も同好会のメンバーに加わるのでした。
「やりたいと思った時からきっともう始まってるんだと思う」
ラブライブ!で描きたいこと(私が描いて欲しいと思っていること)の一つだと思います。
第6話 笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)
璃奈回。
これまでの回でもしばしば描写されてきましたが、表情が上手く作れないことをコンプレックスに感じている璃奈。
表情が上手く作れないからコミュニケーションを取るのも不安になる。
そんな自分を変えたい、沢山の人と繋がりたいというのが璃奈の願いでありスクールアイドル活動を通してその実現を目指します。
璃奈のソロライブに向けて同好会が一丸となり練習に励むのは前回9人のアイドルがそろったからこその展開ですね。
しかし、練習をどれだけ重ねても表情を作れないことが璃奈の心に影を落とします。その結果家に引きこもり、家にメンバーが訪ねてきても段ボールの中に隠れてしまう始末。
しかし、顔が見えないままのコミュニケーションでも璃奈は自分の気持ちをキチンと伝えられるようになっています。それは間違いなく同好会の面々との活動の中で育んだ成長によるものなのです。だから、同好会の面々は璃奈を肯定し、励まし、抱きしめたのです。
「璃奈ちゃんボード、にっこりん」
虹ヶ咲が始まって初出のイラストから璃奈はこのボードを付けていました。
スクスタではそのボード・スケッチブックを外した姿を初めて見せて、アニメでは逆にボードを付ける過程を丁寧に描いた事で、メディアの違いを一番活かせているキャラなんだなと痛感しました。
いつか心から笑える日が来るといいですね。
第7話 ハルカカナタ
彼方回。妹の遥ちゃんも出てきます。
スクスタでは成績優秀者対象の特待生という設定がありましたが、貧乏設定に拍車がかかり、負担が高3のそれとは思えない彼方。唐突に寝てしまうのも過労が原因なんですかね。
既に名前は出ていましたが、東雲学院というスクフェス時代の設定が前面に出てきているのは古いオタクにはうれしい演出です。
しかし、遥は同好会の見学で倒れるように眠る彼方の姿を見、「頑張りすぎ」だと断じて姉妹喧嘩に発展してしまいます。
しかし、お互いに思いあっているからこその意見の対立であり、解決も決して難しい事ではないんですよね(家庭の事情は隅に置きます)。
彼方は遥に自分のライブステージを見せることで、同じスクールアイドルとして競い合いたいという意思を伝えます。これからは彼方が抱え込み過ぎるのではなく姉妹で支えあっていけるようになったので、唐突に寝る描写はなくなる…のでしょうか。
本筋とは関係ないですが、曲がこれまでのソロ曲とは違う方向性の楽曲で驚きました。エマ・しずくもその向きがあったのでスクフェス発組は楽曲の方向性を意図的に変えているように感じます。スクフェスの方はテキストスキップしていたので今度読み直そうと思います。
第8話 しずくモノクローム
しずく回。1年生組で仲良くお出かけしています。
まず感心したのは、心内描写。高いカメラから舞台の板が映っているときは現実の稽古や本番の描写、そうでないときはしずくの心内描写と区別して描かれているように思います。(現実の時は黒しずくの背が明確に高く描かれているように見えます。的を射ていない解釈だったら恥ずかしいですね)ラブライブシリーズではシームレスに描写が切り替わる、場合によってはどれが実際に起こっていることなのか難解なこともあった中で、その差を丁寧に描いているのは視聴者に優しいです。
とはいえ、私はこの回をうまく飲み込むことができませんでした。「演技をする」というのが「自分の気持ちを隠す・偽る」のと混同して語られていたのが微妙に感じたところなのだと思います。演じる事はしずくの生きざまであり、そこにはポジティブな感情で向き合っていてほしかった。スクスタとキャラが違うじゃん!というのはラブライブシリーズにはよくあることなので深くは追求しません。
本心を話すと嫌われるのではないか、という疑念が氷解し、自己表現に前向きになったというのがこの回のしずくの変化なのでしょう。しずくの語る「本当の私」がどんな姿なのかは、今後の描写に期待したいです。
第9話 仲間でライバル
果林回。
少しづつ名前の知られるようになった同好会は他の学校からフェス出演の誘いを受けます。しかしソロでやっていくと決めた手前、出演方法で悩む面々。果林は誰かが代表で出るべきだと口火を切ります。ともすれば場の空気を悪くしかねない意見をハッキリ言えるのは彼女の強い部分ですね。一人で写真に写り、比較されることも多いモデルの世界を経験しているが故の強さなのでしょうか。
その強さが評価され果林が代表に選ばれるのですが、フェス当日にアウェーともいえる会場の雰囲気にのまれ緊張してしまいます。普段気丈に振舞っている果林にも人並みの弱さがあることがわかります。
一人でステージに立つのは心細くて、勇気のいる事です。
しかし果林の口から不安が語られようとも、同好会の面々は競い合う相手だからと見放すようなことはせず、弱気な果林を励まします。ハイタッチで勇気をもらった果林は堂々としたパフォーマンスで観客の心をつかみます。作曲陣どうこうではないですが、TeddyLoid氏は物語の説得力持たせ過ぎですね。曲の強さはアイドルアニメにおいては物語の強度に直結します。
仲間だけどライバル。ライバルだけど仲間。
果林の自分に言い聞かせたようなこの言葉は虹ヶ咲で描くソロアイドルの姿、メタ的には9回連続してきた個人回の総括として完璧です。
第10話 夏、はじまる。 ・・・その前に。
9話で他のアイドルがいる舞台袖からではなく観客席からステージを見ることを選んだ侑の瞳には、あのステージがどのように映ったのでしょうか。その答えは10話以降の話で展開されていくことが予想されます。
9話まで個人回を連続させながら同好会としても物語を進めていくのは放送前からの予想の範疇であり、メンバーの誰かがフォーカスされそのキャラのMVでその話が締めくくられるという流れが予定調和として存在していたのがこれまでのアニメ虹ヶ咲でした。
しかし、10話から最終話では、より強固に一本筋の通った話を展開するのが予想されます。MVのない回も出てくることでしょう。
最終回までの展開は、既に発表されているリリース情報から紆余曲折在りながらも9人で1曲を歌う展開に持っていくのはほぼ間違いないと言えます。持論ですが、挿入歌は物語の説得力を補強するものであり、担保するものではありません。最終回で「曲は良かった」なんて評価は見たくないし、したくないですね。
素晴らしい物語が紡がれることを期待して、残りのアニメ虹ヶ咲を見届けましょう。
僕は侑は歌わないと思っています。
虹ヶ咲のこれまでとこれからの話をしよう(2ndライブを終えて)
はじめに
みなさん、こんにちは(こんばんは)。「ラブライブ!シリーズ」応援してますか?
私はラブライバーと呼ばれても差し支えない程度には応援しています。
そのラブライブ!シリーズにおいてμ's,Aqoursに続く3代目グループの"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会"に今思う事を書き残そうと思い筆を執った次第です。
2020年10月からテレビアニメが放送開始と決定し、今書かずにいつ書くのだ!といった状況ですので、お付き合いいただければと思います。
※ラブライブ!とはなんぞや?という方はまずは公式サイトやWikipediaを一読していただきたいです。
虹ヶ咲の「これまで」
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、通称「ニジガク」は現在10人で活動しているスクールアイドル群及び、そのスクールアイドルたちを演じる声優によるユニットです。従来の雑誌連載に加え、スマホ向けゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS」を主戦場として活躍しています。
しかし、つい先日までは、10人ではなく、9人のユニットであり物語でした。
これこそがこれまでのラブライブ!シリーズと最も違う点であり、このブログを書くに至った最大の理由です。
歴史の始まりは、2017年3月爆発的ブームを誇った「スクフェス」の4周年記念プロジェクト「パーフェクトドリームプロジェクト(PDP)」の企画が発表されます。それはスクフェスの人気投票で上位になった3人と新キャラクター6人による新たなスクールアイドル「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」を描く企画でした。
その後、同年9月の東京ゲームショウでキャラクターを演じる9人のキャストの発表・PDPの中核となるスマホアプリが2018年内リリースの発表がありました。その後、キャラクターを描くweb連載やキャストによるインターネット番組の生放送が始まります。
しかし、翌9月にこのアプリのリリースを2019年秋に延期する事が発表されます。
実際にアプリがリリースされたのは、2019年9月26日。当初の企画名である"PDP"という名前はいつの間にかどこへやら、アプリ名の通称である"スクスタ"が虹ヶ咲の物語を象徴するようになりました。
他媒体での活動は特別遅延する様子はなく、2018年8月にWebラジオのスタート、11月に1stアルバムのリリース、アプリリリース後の2019年10月に2ndアルバムリリース、2019年12月には念願の1stライブが開催され、ライブ中にアニメ化が発表されました。また、2020年1月にはラブライブ!シリーズ9周年を記念するラブライブ!フェスに出演、翌2月には9人のキャラを2・3・4人に分けたミニユニットによる楽曲のリリースもあり、アプリのリリース遅延こそあれ、順調に活躍を広げていきました。
そして、運命の2020年7月31日、スクスタ内のメインストーリー17章にて、ニジガクに10人目のメンバーの三船栞子が加入する様子が描かれました。
8月4日にはTwitter公式アカウントでも加入のお知らせが非プレイヤー向けにも公開され、界隈にはかつてないほど議論が巻き起こりました。
とはいえ、スクスタ内のストーリーに栞子というキャラクターが登場したのは2019年10月31日のアップデートに追加された第8章で、そこからはメインストーリーにはほとんど出ずっぱりであったのが実態です。(ストーリーが気になる方は"有志"の方がYoutubeで挙げているので見てね)
しかし、多くのプレイヤーは同好会と対立するキャラクターとして登場した栞子が加入するとは露ほども思っていなかったのです。
もはや全肯定オタクしか残っていないと言われていたラブライバー達がTwitter上で思いの丈を語る様子は、逆にこれからの展開を期待させるには十分でした。ちなみに私の意見は「加入自体は肯定的だが、ストーリーが悪い」です。
虹ヶ咲の「今」
さて、なぜ、栞子加入をラブライバーは(私は)予期できなかったのでしょう。
ニジガクは活動方針として、「ソロ活動」を強調しています。
これまでのラブライブ!シリーズにおいて"9人"のグループであることが重視されたμ's、Aqoursとは大きく異なるポイントです。
そんなニジガクの活動を軽く振り返ってみましょう。
アプリリリースごろまで毎月人気投票企画が行われその順位に応じて新規ボイスがあったり、4コマ漫画が作られたりしていました。また他の投票企画として1位のキャラのみにソロ曲とそのミュージックビデオを作成するという大胆なものもあり、そこでは小悪魔系スクールアイドルの中須かすみが1位に輝きました。
音楽展開においてもキャラクターソロ曲が中心であり、アルバムは各キャラのソロ曲+全員で歌う曲という形で展開されています。スクスタのストーリーでもキャラごとに楽曲作成やファンクラブ結成の様子が描かれており、ソロ重視というのは多くの媒体で共通しています。
とはいえ、同好会のメンバー自体は企画発表時点から9人であり、ソロ重視というのも単なる一要素に過ぎないとラブライバーは認識していました。
メンバー加入が実際に起こるその日までは。
加入が確定するその日まで、9人(とプレイヤーである"あなた")の物語だと思っていたものが10人の物語に変質してしまったのです。単なる新キャラクタ―追加ならともかく、キャストもライブ活動その他に加わるとあらば、音楽展開やキャスト同士の関係まで波及する中々難しい問題です。
そしてまさに今日、9/12・13で3公演のライブが無事(無観客配信への切り替えによる先行抽選シリアル無効問題があったので無事ではない)終了しました。
2020年9月現在、後から加わった栞子にはソロ曲が3rdアルバムの1曲のみしかなく、他の9人には1st~3rdの3曲(かすみのみ4曲)存在しています。
2ndライブでは9人時代の"全員曲"へ栞子も参加し、10人であることを強調しました。しかし、その一方で元々コンテンツのメインとしていたソロの披露は9/12公演ではフル1曲(かすみのみ2曲)とショートver1曲(栞子は無し)、9/13公演に至っては全キャストがフル1曲のみでした。
過去シリーズとの対比でもあった「ソロ重視」という要素が「ストーリー上でのメンバーの追加」に置き換わってしまったかのように感じられます。
この辺りはユニット曲のセトリ入りもあり、更に突き詰めることが出来そうですが今日はここが主題ではありません。
最も重要で衝撃的だったのは今このブログを書いている理由である、「TVアニメの公開時期」なのです。
虹ヶ咲の「これから」
2020年10月TV放送開始!!というわけで、まずはこちらのPVを見ていただきたい。
「届け!ときめきーーー。」
「9人と1人の少女たちが紡ぐ青春学園ドラマ、スタート!」
9人と1人の少女たちが紡ぐ…?
栞子、出ないのか…?
今までのラブライブ!シリーズのアニメの大筋は、メンバーを集めるところから始まり、なんだかんだでスクールアイドルの頂点を目指します。そのメンバーがμ'sとAqoursで共通して9人だったのでこれまでは”9”という数字が大切にされていたわけです。
しかし、ソロを重視し、栞子の加入を許可するというシリーズの定石から外れたニジガクが新たなラブライブ!シリーズの在り方を提示したことで、アニメでは栞子加入をどう描くのだろうという期待・ワクワク感がファン心理としてありました。
PVやキービジュアルを見る限り登場するのは栞子を除く9人のメンバーとスクスタストーリーにおけるプレイヤーの分身となるキャラクターの9+1人のみ。なんてこった。
1stライブにおけるキャストでの発言から、プロジェクト開始時点ではアニメ化は計画されていなかったと判明したニジガク。(実際、企画当初は雑な扱われ方であったので真偽くらいは一ファンでもわかります)
Aqoursがバリバリコンテンツの2代目、中核として活躍する中、こちらも地道に活動を積み重ね成長して念願のアニメ化。正直μ'sの成り上がりと被るように感じるところもあります。
2021年には3rdライブの開催も決まり、アニメのOPやEDなどの新規楽曲も披露されるだろうという期待がされていました。
なんだかんだオタクコンテンツの花形であるアニメに、栞子は出ないらしい。私がこの約2か月で栞子加入について考え、引き続き応援することを決断したのは何だったのだろう。
全ての元凶はアプリのリリースのせいによる加入時期のズレなんじゃないか、という意見があります。でも、アニメ化はアプリリリース遅延後いつ決まったんですか…?栞子をアプリのストーリーで加入させると決めたのに、アニメには出さないという決断はいつ決めたのでしょう?
今後の展開への不安が募ります。
でも、そもそも、今後への不安なんてニジガクにとってはごく当たり前でした。
Aqoursが象徴的な1stライブを終え、その興奮冷めやらぬ中、外伝的に発表されたPDPに最初から注目するラブライバーは決して多くありませんでした。
アプリリリースまでの謎極まるWeb連載。連載されるサイトごとに扱うトピックやライターが異なりマンスリーランキングでも明らかなキャラ人気に格差があったあの頃。
声優による番組がメインコンテンツと化し、声優目当ての人しか見ていないとまで揶揄されたあの頃。
アプリの延期が発表され、別のスマホアプリのようにアプリリリース自体に疑問符が浮かぶようになってしまったあの頃。
アプリリリース後、お世辞にも面白いといえないゲーム性から新規ファンの獲得は無理だろうと諦めたあの頃。
ラブライブ!フェス後、ラブライブ!新規プロジェクト(発表時点では名称未定、今は、ラブライブ!スーパースター!!という名前で展開している)が発表され、μ's、Aqoursに続くユニットはやはりニジガクではなかったという答え合わせが起きたあの頃。
ニジガクはラブライブ!の看板を背負っていなければ生まれておらず、例え別の名前で生まれていても、泡沫声優アイドルコンテンツとして消えていたでしょう。人気は"ラブライブ!"である事、その一点によるところが大きいです。
しかし、キャスト発表からもう3年もやってきたのです。切り捨てるのは勿体ないくらいにキャラクターの物語とキャスト同士の絆は積み重なっています。
私は、ニジガクをこれからも応援したいんです。
唯の外伝だった虹ヶ咲がμ'sもAqoursも超えて、歴代で1番のスクールアイドルになる姿をみたいんです。
閉鎖的、巨大な閉じコンだと言われるようになってしまったラブライブ!に新しい風が起こるなら、きっと、「これから」なんだと信じています。期待しています。
DIALOGUE+JAMとリリカル☆ライブとラブライブ!フェスに参加した話
あと一人くらい、私と全く同じ動きをしたオタクがいると信じています。
1/18昼、新人声優ユニットDIALOGUE+によるライブ、DIALOGUE+JAMに参加。
1/18夜、リリカルなのはシリーズ15周年を記念したシリーズ初のライブオンリーイベント、リリカル☆ライブに参加。
翌日1/19、ラブライブ!シリーズ9周年を記念したライブ、ラブライブ!フェスに参加。
1/20昼、全身の痛みで目覚めるが、起き上がれない。自身の衰えと有休のありがたさを知る。
そんな週末でした。
それぞれで感じるものがあって多少無理してもこの3つのライブイベントを横断できたのは非常に良かったです。
一番思いを馳せたのは、「声優が歌う」という事です。
声優のアイドル化自体は特別近年の話ではないのですが(林原めぐみさんとかね)、近年、それこそ"ラブライブ!の爆発的なブーム"によって「声優が歌う」の意味が変化したのではないかと感じました。
「声優」の仕事ってなんでしょう。
一部の声優さんを見ていると俗に言うマルチタレントと何が違うのだろう、本当にこの人の主軸は声優なのだろうか、と思ってしまうことがあります。そんな人々を「声優」と呼称するしかないのが歯がゆく思ったりもします。
僕はアニメやゲームが好きなオタクです。そこに登場するキャラクターたちに声を吹き込む声優さんも大好きです。とても尊敬しています。
そして、声優さんが”歌”という形でキャラクターやその人自身を表現するのも好きです。だからこそ、好きなコンテンツや声優さんのライブにも足を運びます。
DIALOGUE+JAMは「アニソン派!project」というアニソンの良曲を広める企画のサポートを受けてUNISON SQUARE GARDENの田淵氏がプロデュースする新人声優ユニット「DIALOGUE+」が生バンドの演奏のもとカバー披露するというライブイベントでした。
まず最初に、持ち歌の少ない新人にマッチしているイベントだと感心しました。
楽器のできるメンバーが前座としてインスト曲を披露したり、ライブ衣装がメンバーごとそれぞれのアイデアでアレンジに差分があったりと、ただカバーを歌う以上の工夫も見られました。
ライブハウス開催のオルスタ形式で若干の不安はありましたが、オタク側もオルスタ慣れしているのかトラブルのようなものが見受けられなかったのは非常に喜ばしいです。
第2回の開催も決定されたので、次も是非参加したいです。
リリカル☆ライブはリリカルなのはシリーズ15周年を記念したライブイベントであり、これまでのキャラクターソングやシリーズのOP・ED・挿入歌が披露されました。
15周年という言葉が象徴する通り、芸歴の長い方々がキャラクターとして歌う姿は長年なのはを見続けてきた私には感慨深いものでした。また、キャラソンがライブイベントで披露されることの貴重さを噛みしめました。その作品のアニメイベントでちょっとだけ歌われたらいい方ですよね。
アンコールでシリーズの主役の二人、高町なのは役の田村ゆかりさんとフェイト・T・ハラウオン役の水樹奈々さんが手をつないで花道を走る姿には思わず感涙。あれほど”エモい”という言葉が合う光景もないなと。
日曜日の公演のラストにはシリーズ新作の制作も発表され、これからもなのはシリーズを追いかけていきたいです。
ラブライブ!フェスはラブライブ!シリーズ9周年を記念したライブであり、シリーズの垣根を超えてμ's・Aqours・SaintSnow・虹ヶ咲スクールアイドル同好会の総勢29名がライブに参加しました。
注目するのはなんと言ってもμ'sの"復活"。二次元としての展開は細々と続いていましたが、ライブにキャスト9人が集うのは2016年4月1日以来で多くのファンが待ち望んだライブでした。
アニメ1期終了ごろからラブライブ!を知り、今でもラブライバーの私はこのフェスにとても期待していました。Aqoursが始まったころはグループを超えた絡みやSNS等での言及を制限し(明言はされていないが、Aqoursメンバーがμ'sの紅白出演に際するツイ消しをした事実があるなど、客観的に見て明らかである)ていたことすらあったのが、長い期間を経て、ついに29人揃って歌う姿が見れるのだと。
しかし現実は非情でした。グループ間の絡みらしい絡みはごく一部のMCのみでしか見られず、「フェス」なんて名前を付けておきながら大トリでの出演者全員での棒立ちカラオケ合唱すらないのでは不完全燃焼と言わざるをえません。
勿論、それぞれのグループのパフォーマンスは素晴らしく満足のいくものでした。
ただただ、構成を考えた人間、この構成にOKを出した人間への不信感が増しました。
ラブライバーはもっと不満をSNSやアンケートで発信するべきです。そうしたら、今よりももっとラブライブ!が楽しく・面白くなります。
私は、「みんなで叶える物語」を叶えたいです。これからもラブライブ!シリーズを応援しています。
最後になりますが、昨年末こんな記事が投稿されており、興味深く拝読させていただきました。
ベテラン声優である大塚明夫さんが声優という職業の難しさを説いたコラムで、Twitterでも話題になっていました。改めて声優として活躍されている方への尊敬が深まりました。是非ご一読を。
2019年のオタク楽曲10選
みなさま、年の瀬はいかがお過ごしでしょうか。
2019年も素晴らしいアニソン・声優楽曲に出会えた年でしたね。
今年の内に抑えておいてほしいアニソンを紹介して2019年を締め括りたいと思います。
選曲基準としては、2019年のリリースであればなんでもアリというかなり大雑把なものになります。
特に順番は関係ないので気にしないでね!(書いてる側は少し気にしてるけど)
1.VIVID VIVID / 久保ユリカ
作詞:カミカオル 作曲:FUNK UCHINO/TAKAROT
やっぱり久保ユリカさんじゃないか、と言わないでください。久保ユリカさんの音楽活動再始動の1曲であり、K-POPやEDMを意識したダンスナンバーは以前のナチュラルな方向性とはまた違った姿をファンに見せてくれました。アニクラシーンでも流行っていたのが1人のファンとしてとても嬉しかったです。このアルバムはどれもいい曲なので全人類聞いてください。
2.私に"好き"が舞い降りた / 星野みやこ(上田麗奈)&松本香子(Lynn)
作詞・作曲:【櫻澤ヒカル】
冬アニメ「私に天使が舞い降りた!」のキャラソンより1曲。このキャラソンアルバムがそもそも名盤で、どの曲が好きかでオタクの音楽の好みを判別できると自分の中で話題になりました。お姉さん組のデュエットであるこの曲が1番好きです。Lynnさんと上田麗奈さんの時点で最強だもの。私もみゃー姉になりたい(?)
3.O-Ku-Ri-Mo-No-Sunday! / 久川凪 (立花日菜), 久川颯 (長江里加)
作詞:烏屋茶房 作曲・編曲:烏屋茶房、篠崎あやと
2019年4月、アプリゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」のイベントにて公開され、同月に配信も開始された1曲。"付かず離れずな2人"について歌っており、双子キャラの持ち歌として素晴らしい。イントロは往年の名曲「ミュージック・アワー/ポルノグラフィティ」を想起させるような、メールを読み上げる口上で○。作詞作曲の組み合わせは今夏話題になった「お願いマッスル / 紗倉ひびき(CV: ファイルーズあい)&街雄鳴造(CV:石川界人)」と同じですね。
4.PEARLY×PARTY -Funkapopver.- / ORESAMA
作詞:ぽん 作曲・編曲:小島英也
春アニメ「叛逆性ミリオンアーサー(第2シーズン)」のEDとしてORESAMAが提供した楽曲のセルフカバー・アレンジ曲(ながい)。底抜けに明るい歌詞と跳ねるようなメロディが魅力。私が先日参加したORESAMAワンマンでも披露され、爆踊りしました。原曲も作中キャラクターによる歌唱で大変可愛らしいので必聴。
5.ひよこのうた / Le☆S☆Ca
作詞:カナボシ☆ツクモ 作曲:Tetsushi Enami
アプリゲーム「Tokyo7thシスターズ」が今夏にリリースした「ミツバチ」のc/w曲。まだまだ"ひよこ"な女性の心情を軽妙なラップに乗せて歌った一曲。Le☆S☆Caというユニットは3人ユニットの内2人が声優を交代しており、このシングルは実質リスタートの1枚でもあります。そんな背景を踏まえて表題曲と合わせて聴くとまた違った味わいがありますね。ライブで見た飯塚麻結さんがめちゃめちゃ可愛いかったので今年推しの1人になりました。
6.フルスロットルで行こうぜ!/ 西田望見
作詞・作曲・編曲:原田茂幸(Shiggy Jr.)
「マクロスΔ」のユニット、ワルキューレで活躍する西田望見さんの待望のソロデビュー曲。西田さんの趣味である"バイク"の要素をイントロのエンジン音として表現した時点でもう感涙ものなのに、西田さんの「Shiggy Jr.のような歌を歌いたい!」という希望から実際に原田さんをディレクションしてしまうFlyingDogには頭が上がりません。アルバム自体も楽曲と語りが交互に入る構成で完成度が高くオススメできる。
7.ひと夜ひと夜にひとりごと /
市杵島瑞葉(田澤茉純)
夏アニメ「Re:ステージ!ドリームデイズ」からのソロ曲。4つ打ちのメロディながら歌詞によって"和"を感じる一曲。2サビ終わりのラップも最高。『独自の扇子で踊っていたい』よな。リステ楽曲はアニメ化によって益々注目されていますが、恥ずかしい事にまだリステ現場に行ったことがないので機会を見つけて行きたいですね。
8.夏の記憶 / 中島愛
作詞・作曲:三浦康嗣
https://recochoku.jp/song/S1008553413/
(これだけ試聴動画見つからなかったのでリンク先から試聴してください)
中島愛さんの音楽への意識の高さが伺える1曲。少ない音数ながら存在感のあるメロディが心地よく、歌声もひとつの楽器として機能していると感じられます。タイトル通り、夏を思い返す歌を秋リリースするニクらしさも○。言葉遊びのような導入部分が特にお気に入りですが、曲全体での展開も多いので聞き飽きる事がなくいつまでも聴いていられますね。
9.RIVALS / 田所あずさ
作詞:安藤紗々 作曲・編曲:神田ジョン ストリングスアレンジ:松田彬人
秋アニメ「神田川JETGIRLS」のED。高架下のファストフード屋でおっぱいが揺れるアニメです(女の子同士がスポーツに興じるアニメです)。EDらしく爽やかな曲調であり、タイトル通り"ライバル"の心情を歌っている歌詞はアニメにおけるEDの役割として素晴らしいと思う(ちなみに私はOPよりEDを好きになりがち)。同アーティストが2019年中に出した曲では転スラEDの「リトルソルジャー」もお気に入りなのでそちらも要チェック。
10.空中恋愛論 / AZALEA
作詞:畑亜貴 作曲:Kohei by SIMONSAYZ
12月にリリースされた「ラブライブ !サンシャイン!!」のユニット曲。試聴動画の2曲目です。電子音が耳に気持ち良く、恋愛論についての歌詞はアイドル的な可愛らしさもあります。また、この曲を聴いた時、単純に良い曲である以上にどこか懐かしさを感じました。何故だろう、と思いクレジットを見ると答えはすぐに見つかりました。私の大好きな「Golden Time/堀江由衣」と同じ作曲家の方なのです。この2曲繋げたいですね。
...と、10曲挙げさせていただきました。皆さんに1つでも刺さるものがあればまとめた甲斐があります。もし、皆さんもオススメの曲があればドンドン教えて欲しいです。
10選からは外したものの、大好きな曲は他にもあります。「土曜のルール/伊藤美来」とか「はじめてのかくめい!/DIALOGUE+」 とか...。
最後に、諸事情で選外にしたものの、絶対に聞いて欲しい1曲を紹介して締めたいと思います。
番外編.Hello,Again〜昔からある場所〜 / ユキ(cv.花澤香菜)
https://mora.jp/package/43000004/PCCG-70453/
(これも試聴が見つからないのでリンクつけておきます)
何故番外編にしたのか、察していただけたでしょうか。近年目立つようになった往年の名曲カバーから、今年はこの1曲が特によかったです。花澤さんの優しい歌声が心に染み渡りますね。
同氏のカバーといえば今年発売されたアルバム「ココベース」の特典ライブ映像の「若者のすべて/フジファブリック」のカバーも捨てがたいですね。どうにかして聴いてください。
それでは、皆さま良いお年を!
来年も素晴らしいアニメ、そしてアニソンに出会えますように。