CUE!サービス停止発表に寄せて。「次世代声優育成」ってなんだろう。
本日(2021/2/27)、私がリリース当初よりプレイしていた、次世代声優育成ゲーム『CUE!』のサービス停止が発表されました。
リリース前から興味を持ち、それなりに課金もしていたゲームが終わるというのが初めての経験なので、メンテ中に誤ってログインできてしまいフライングで情報を知った昨日深夜は割と動転しておりました。ゲーム単体では継続が怪しい部分もあったのですが、リアルイベントや楽曲展開の方は好調に見えていたので唐突な発表に驚きました。
公式発表文を素直に受け止めるのならば、
"2019年10月より運営してまいりました次世代声優育成ゲーム『CUE!』は
日々アプリを改善し、より良いゲームとするため尽力して参りましたが、
運営チームでは現在実施している以上の改善が必要と常々考えられておりました。
昨今の世の中や運営の状況も考慮した結果、
アプリの改善に全力を尽くすため、2021年4月30日(金)12:00をもちまして現サービスの運営を終了とさせていただきたく存じます。
現時点で再開の時期を明確にお伝えすることはできませんが、これまで約1年6ヶ月に渡り支えてくださったマネージャーの皆様には、心よりお礼とお詫びを申し上げます。アプリ運営が再開した際には、アニメと共に新たな体験がお届け出来るよう全力を尽くして参ります。"
との事で、すでに発表済みのアニメ化やCDリリース・ライブ等の活動でIP自体は継続し、アプリもより遊びやすい形で再リリースされる可能性も残されています。
出演声優からも前向きなメッセージが発信されていますし、そこまで悲観的になる必要はないのかもしれません。
しかし、これで愚直に「応援しています!」と言えるのならばこんなブログは書いていません。本題に移ります。
私の主張は、運営はこのゲームのジャンル「次世代声優育成」を諦めないでほしい、という一点に集約します。
サービス停止の間、作中のキャラクターである声優と現実で演じている声優の間のギャップはどう埋めていくのでしょう。このコンテンツの片翼であるキャラクターをないがしろにしないでほしい。
ここを解決できるモノを、今後の運営チームに提示してほしいです。
詳しく説明します。
CUE!のメインキャラクター16人は、同じ事務所所属の新人声優という設定です。そして、演じているのもまた、新人と言って差し支えない女性声優16人です。このゲームの意欲的な部分であり魅力だと感じています。
ゲーム内のキャラクターが声優として成長していく様をストーリーで体験しながら、その演技やリアルイベント等でも演者側の成長も感じていく、その様な楽しみ方を想定されたコンテンツです。(少なくとも私はその認識で楽しんできました)
フルボイスのストーリーや作中劇のアニメでの「演技」は勿論、現代声優には避けて通れないマルチな活動もあります。
作中劇の主題歌や事務所で推しているユニットという形で「音楽」展開を行い、リアルでもCDリリースや「イベント」を行っています。また、一部メンバーではありますが、超A&Gというネット局で「ラジオ」も担当しています。
流行りの2.5次元的な要素をうまく昇華できていると思います。
リリース前から展開されていた音楽展開は注目に値するもので、私も音楽からこのコンテンツの存在を知りました。しかし、実際にリリースされたアプリはゲームとしてはあまり評価できるものではありませんでした。楽曲とキャラクターの魅力がなければそこでやめていたかも知れません。しかし、ストーリーの質やゲームのUIは徐々に改善されました。
昨年はコロナによる苦境もありましたが、CD販売の数字も決して悪くはなく、昨年開催されたライブではアニメ化も発表されました。
追加されたメインストーリーで描かれている季節は春から冬へ一巡し、1.5周年を迎えるタイミング、現実の季節が春を迎えると同時に作中の時間も次の春へ進み第2部が始まる。いちプレイヤーとしてそんな風に考えていました。
しかし、作中のキャラクターに”次の春”は来なかったのです。
3月末の課金サービス停止、4月末のアプリのサービス停止の発表とはそういう意味だと私は受け止めました。
一方、リアルでの展開は止まっていません。来る4月21日には、このCUE!から1stアルバム「Talk about everything」が発売されます。8月には次のライブが計画されています。
キャラクター展開として残っているアニメ化は続報待ちのため放送時期は発表されていません。(キービジュアルや監督等は発表済)
これらの展開が"次の春"の準備になっていることを願います。
最新メインストーリー、Season1.3では「声優を目指している人に向けてのメッセージ」を求められ、その回答について悩むキャラクターたちの姿が描かれました。
現実だって、CUE!のコンテンツ事情なぞお構いなく新規コンテンツはやってきますし、
新人として起用された演者も少しずつ若手、中堅へとポジションを変えていくことになります。(もしくは、声優を諦める、というのも可能性の一つです)
このゲームがサービス終了する頃には、中の人16人がそこそこ声優として売れてほしいと、半分妄想、半分本気で友人と話したことを覚えています。
CUE!が終わっていいのは、少なくとも今、そしてライブのある今夏ではないと思います。
どうか「次世代声優育成」の名に恥じないように走り切ってくれることを願います。
コンテンツに傾倒したオタクからのメッセージでした。