蓮ノ空1st Live Tourを終えて 〜蓮ノ空のリアルライブとシンクロについて〜

蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん、そうではない皆さん、こんばんは。

福岡、東京、愛知を巡った1stライブツアーが終わってしばらく経ち、自分の中の蓮ノ空への向き合い方を整理したので言語化しておきたいと思いブログを書きました。

 

 

蓮ノ空とは?

ラブライブ!シリーズ最新作で、金沢の伝統ある学校を舞台に6人の少女たちがスクールアイドル活動に取り組むを描いています。(ラブライブとかスクールアイドルの説明は長くなるため割愛します。)

最大の特徴は、スマートフォンアプリ「Link!Like!ラブライブ!」(通称リンクラ)でメインストーリーの展開やキャラクターのライブやトークの配信が行われている点。

メインストーリーは現実の季節と連動する形で毎月更新されており、入学や部活動への入部、学園祭などが描かれています。

アプリ内には配信機能があり、定期的にキャラクターたちがトークやライブを配信しています。Vtuberのような3Dモデルでの配信をイメージしていただくのがわかりやすいと思います。

6人のキャラクターが先輩後輩の2人組、3ユニットを組んで披露するデュエットが主体なのも特徴の1つです。ストーリー展開でもユニットの2人の関係性にフィーチャーする機会が多く、学園姉妹百合作品とも取れるような作りにもなっています。

 

私と蓮ノ空の付き合い方

「Link!Like!ラブライブ!」はリリース前から興味があり4/15のアーリーアクセス版からプレイ。

ストーリーや配信を楽しむだけでなく、ゲーム部分もお得な課金パックを毎月買い切る程度に遊んでいます。

声優さんも蓮ノ空として発信されている部分は追いかけておきたいと思い、youtubeで配信されている「せーので!はすのそら!」や「みらくら待機室/補修室ラジオ」は視聴しています。

リアルイベントについては、4月のミニアルバムリリイベ、6月のパシフィコ、7月末のサマステ(外部出演)に参加しており、今回のツアーは福岡day1,2と東京day2は現地参加、愛知day2の配信視聴しました。

 

リアルライブで見たかったもの

私がシリーズ問わずラブライブ!のライブに求めているのは以下の点です。

・2次元のキャラクターを幻視させてくれるようなパフォーマンス

・要所を押さえたセットリスト

・豪華なステージや演出、作中再現度の高い衣装

 

そして今回、1stツアーに期待していたのは

・リリースからの半年間で描かれたストーリーとFesLiveの再現

特にラブライブシリーズでは、TVアニメが放送された後のライブで、その内容をなぞるライブ展開をするのが通例であり、今回も4月から9月にかけて展開してきた蓮ノ空の物語、そして毎月末の定期配信ライブ「Fes×Live」の追体験が出来ることに期待していました。

 

リアルライブで見れたもの

・未発表曲を含む多くの楽曲披露

福岡公演では26曲、東京・愛知公演では30曲が披露されました。満足できるボリュームがありました。特に福岡と東京・愛知公演の間の定期配信ライブで披露された曲がセットリストに追加されるサプライズはリアルタイム進行をする蓮ノ空の特色が生かされていました。

 

・新規衣装

今回のライブでは全体曲の夏めきペイン、2人ユニットのHoliday♾️Holiday、眩耀夜行、Tragic DropsMirage Voyage、ハクチューアラモードの6種類の衣装が新たに披露されました。

ゲーム内でもハクチューアラモード以外の衣装は既に登場しており、一目見た時の感動は大きかったです。

 

・アンコール後のキャラクター映像によるMC

これまでのリアルライブでも定番でしたが、アンコールの後すぐに楽曲に入るのでは無く、キャラクターモデルが映像で登場してMCをしてくれました。

物語上、メンバー6人が揃ったのは8月であり、これまで6人揃ってMCをしていた映像はゲーム内の展開と噛み合っておらず没入間に欠けていましたが、今回はツアーライブ開催地のご当地ネタも絡んでキャラクターがその土地に来てライブをしているかのような空気感を演出できていました。

 

リアルライブでの不満点

・ターニングポイントとなる楽曲の披露形式

蓮ノ空は毎月のストーリー更新→月末のFes×Liveでのストーリー内容を踏襲した楽曲披露の流れが定番です。それに沿って、4月から順に時系列を追う形で楽曲を披露していくのが自然な流れと考えられます。

しかし、振り返りと呼ぶには苦しい点もありました。

例えば、「DEEPNESS」。6月度Fes×Live披露の曲で、6月更新のストーリーを経て2年生の過去のわだかまりが解消され、昨年披露した事のある(という設定)の曲を1年生メンバーを加え、ユニットの枠も超え、揃いの衣装で披露するという物語上大きな意味を持つ楽曲です。

しかし、この曲の衣装は作成されることは無く、前述の新規ユニット衣装をそれぞれ着用して披露され、バックスクリーンに映る映像とは異なる衣装で披露されました。

また、私の推しである帰国子女の大沢瑠璃乃が加入して5人メンバーで初めて披露された7月度Fes×Live披露曲「永遠のEuphoria」は本編の流れから外され、アンコールで歌われました。

8月度Fes×Liveでは怪我をしていて離脱していたメンバーが復帰し、6人が揃った初めての楽曲「夏めきペイン」は衣装も作られて申し分ない形の披露だったのは救われました。

 

・セットリストと幕間映像

ツアー初公演の福岡公演ですが、個人的には不満な気持ちの方がやや大きく、スタッフの準備不足を疑うような場面もありました。

セットリスト面では、せっかくの新衣装を対象の楽曲を歌う前から着てしまっていたり、Fes×Liveの時系列とは異なる順番(7月に披露した曲の後に4月披露の曲をやるなど)で披露されていたりと演出意図が読めない部分がありました。

また、ライブの転換や次の楽曲の導入として、ストーリーを短く再編集して振り返る数分の幕間映像があったのですが、福岡公演ではこの映像演出があまり機能していませんでした。

1回目の幕間映像(4〜6月の振り返り)は編集処理が雑で、シーンの切り替わり毎にBGMのフェードイン、フェードアウトが入り、単純に聞き苦しかったです。

2回目の幕間映像(7〜8月の振り返り)は瑠璃乃加入の7月分が1セリフで終わらされていて、8月分に大半が割かれている上、3ユニット目がついに結成しました!という流れで映像が終わるのにその直後では別ユニットが曲を披露していて映像とセットリストの接続も取れていませんでした。

これらの不満は東京公演では改善されており、1つ目の幕間映像は明らかにBGMの処理がシーンを跨いで自然な形になるよう編集されていて、2つ目の幕間については、7月分と8月分で映像そのものが分割されてセトリへの組み込み方自体が変わっていました。じゃあ福岡でもそれでやってくれよ...とは思いました。

 

蓮ノ空におけるキャラクターとの「シンクロ」とは?

ラブライブシリーズがTV番組等のメディアに取り上げられる際、魅力的なポイントとして「シンクロ」が取り上げられる事が少なくありません。

この「シンクロ」とはキャラクターのアニメ映像を声優のダンスパフォーマンスで再現し、バックスクリーンに映された映像とステージ上の所作が一致する事を指して使われています。

しかし蓮ノ空では、この文脈の「シンクロ」は他シリーズと同じように評価する事は(少なくとも私は)できません。

何故なら、我々が毎月見ているキャラクターの配信ライブでは、キャストがモーションアクターも歌も担当している以上、リアルライブで行われるのは「再現」ではなく「配信ライブの再演」であるからです。

リアルタイム配信という形では常に「シンクロ」してしまっているわけです。

ただの「再演」ではなくそれ以上の価値が今後のリアルライブではより求められると思っています。

 

では、私は蓮ノ空のリアルライブに何を求めて今後参加するのでしょうか。

ラブライブシリーズのライブにおいて、キャラクターとキャストが重なる瞬間、3次元にいるはずのないあの子たちが目の前にいると錯覚してしまう様な瞬間を私は求めています。

これからの蓮ノ空のリアルライブではそんな瞬間を1つでも多く見つけていきたいです。

 

最後に

今回のライブツアー、終わってみれば「半年の振り返り」ではなく、今この時間で彼女たちがライブをしたら...というセットリストであったと思います。

詰まるところ、蓮ノ空の展開はどこまでもリアルタイム連動なのではないか、と想像しています。

そして、リアルタイムに沿って時系列も進む以上、卒業や引退といった「終わり」は避けられません。

μ'sが伝説だけを残したように、Aqoursが次の世代に託したように、蓮ノ空の「終わり」を見る日を恐ろしくもありつつ、1番楽しみにしています。

その日までに、6人(ともしかしたら増える来年の新入生)が私に何を見せてくれるのか楽しみにしています。