「KUBO YURIKA VIVID VIVID LIVE」が"魅せた"久保ユリカの姿。

 

最早恒例となった5月の久保ユリカさんのイベント。

20代最後の久保さんを見届けました。

 

先日5月11日に豊洲PITにて開催された「KUBO YURIKA VIVID VIVID LIVE」に参加してきたので感動を忘れないためにもレポートを残そうと思います。

 

まずはセットリストの振り返りから。

 

1.VIVID VIVID

2.Instant@Heart

MC①

3.Capture you!

幕間映像(くぼゆりかクッキング)

衣装チェンジ

4.ジャーーーーンプ アッッッップ!!!!

MC②

5.メドレー

SUMMER CHANCE!!(remix)→Happy Cuty My Snow Man(remix)

MC③

~キャラソンコーナー~

6.Love marginal

7.動く、動く

MC④

8.しかししかじか

ダンスパフォーマンス~TEAM Deer Dancers~

衣装チェンジ

9.春風メロディ

10.ありがとうの時間

MC⑤・衣装チェンジ

11.Lovely Lovely Strawberry

MC⑥

12.幸せの雲

EN1.そのままでいいんだよ

MC⑦

EN2.旅風船

 

17時開演、19時頃終演と約2時間のライブでした。今回も時系列に沿って振り返りたいと思います。

 

「VIVID VIVID」〜「Capture you!」 

ステージにカウントダウン映像が映し出され、会場のボルテージが上がりきった所での1曲目は「VIVID VIVID」。MVと同じダンサーチームを引き連れて歌い踊る。続く2曲目「Instant@Heart」も激しいダンスが印象的だった。特筆すべきは、この2曲目で爆発の特効や銀テープの射出がされたこと。このまま次の曲で終わるんじゃないか、というくらいの盛り上げ方でした。

この構成は体力・パフォーマンスを考慮して頭に持ってきた、とも考えられますが、前々から久保さんが語っていた「"魅せる"ライブにしたい」という言葉の表れではないかと思います。見るものを圧倒するパワーがライブ開幕から感じられました。

MCを挟んだ3曲目「Capture you!」でも"魅せて"きます。この曲は音楽活動休止前にリリースされたもので、過去のライブでも披露されています。しかし、今回ダンサーチームを加えた事で曲の持つ世界観の見せ方が大きく変わりました。この曲の表現の変化こそが、「2年間の音楽活動休止」で得たものではないのでしょうか。

 

幕間映像「くぼゆりかクッキング」

FCに加入していた方には見覚えのある、久保ユリカさんが料理をする映像。30手前の包丁捌きとは思えない危ない手つきでアクアパッツァを作りました。それを見守る会場の目線は微笑ましいものだったのか、ドン引きしていたのか、定かではありません。

 

「ジャーーーーンプ アッッッップ!!!!」・「Remixメドレー」

映像が終わると共に、衣装を着替えた久保さんが再びステージへ。

久保さんもダンサーさんもペンライトを持っての登場。この曲には、「両手を高く上げて愛を確かめ合う運動」というフレーズがあるのですが、そこで観客もダンサーさんもひたすらにペンライトを掲げて振る。ひたすら振る。久保さんから見たら大層シュールでしょう。

続く小休止を兼ねたMCでは「初めて来た人〜、中野行ったよって人〜」とライブでは鉄板の話題に。私は後者なのですが、そんな昔から追っているファンに対して「若い子いっぱいいるのに、よくも飽きずに...」と半ば自虐を込めたコメント。

Remixメドレーでは夏の歌である「SUMMER CHANCE!!」と冬の歌である「Happy Cuty My Snow Man」をライブ用のRemix.verで続けて披露。後者の曲中には雪(に見立てた泡)の特殊効果もあり、今は一体何月だっけ...?(5月)となりました。メドレーということでフルコーラスではありませんでしたが、折角のRemixなのでもしフルバージョンがもしあれば聴いてみたいものです。ね、ポニキャさん。

 

キャラソンコーナー

わざわざ手を叩く(編集点を作る)動作をしてからスタートした次のパートはキャラソンコーナー。久保ユリカさんのキャラソンといえば各々思い浮かべる曲があると思うのですが、今回披露したのは、「Love margnal」(ラブライブ!)と「動く、動く」(少女終末旅行)の2曲。

「Love marginal」といえば、"青く透明な私になりたい"という繊細な歌詞でお馴染みの一曲。正直、この曲を生で聴くことなんてないと思っていました。このライブでこの歌が歌われた意味を、私はまだ測りきれていません。しかし、あの手振りを見たこと、生の歌声を聴いたことは忘れません。

「動く、動く」は近年のアニソンでもかなりのクリーンヒット。純粋に好きな曲だったので、多動症のオタクになりました。VJの映像がとても良く、この曲の面白さのひとつである、歌詞が空耳で「動く(we go walk)」や「歩き出せ(a looking that's said)」である事が視覚的に伝わるのが最高でした。あと、「回る世界も逆向きで〜」のところの振りが、回した腕を逆に回す、というものでめちゃ可愛かった。

2曲を続けて歌い終わった後、それぞれの曲について話す久保さん。「今日はキャラクターとして歌っていない」と語る彼女の言葉通り、キャラクターの声ではなく、久保ユリカの歌声で歌っていました。また、このコーナーについて「(仮に映像化しても)入れらないんじゃない、入れないの」と彼女のポリシーが伝わる一言。空間の演出として本当に上手いなあと思います。

 

「しかししかじか」

昨年のハロウィンイベントでアルバムの発売に先駆けて披露された「しかししかじか」。シカコ流電波ソングとでも呼ぶべき一曲ですが、演出が加わる事でさらに化けました。ダンスや歌の随所で真顔になる久保さん。曲の途中で絵描き歌を始める久保さん。「東大寺」「南大門」と通常では考えられないコールレスポンスを求める久保さん。全てが"シカコ、ここにあり"と伝えていました。シュールでクレイジーな久保さんも大好きです。

 

「ダンスパフォーマンス」

今回のライブはほとんどの曲で「VIVID VIVID 」のMVと同じダンサーさんがステージを盛り上げてくれていました。「Instant@Heart」にアレンジを加えたインスト曲で、彼女たち「TEAM Deer Dancers」によるダンスパフォーマンスが披露されました。やっぱりキメキメのダンスはカッコいいです。また、先ほどまでの流れを上手く切り替えてくれたな、とライブを振り返って思います。こういう時間があると引き締まりますよね。

 

「春風メロディ」〜「ありがとうの時間」

衣装もロングスカートに変わり、しっとりと歌い上げる2曲。「春風メロディ」のラストではステージ上に桜の花びらが舞い散り、「ありがとうの時間」では、久保さんの1stシングル〜2017BirthdayLiveまでを振り返るような映像が流れました。各シングルの特典で使われた写真であったり、ニコ生やライブの一場面が映し出されほんの2、3年前の事ですが懐かしい気持ちになりました。1stシングルニコ生の時の巨大デコレーション板チョコとか本当に懐かしいです。久保さんを応援し続けてきて、幸せな気持ちを何度感じた事か。こちらこそ、「ありがとう」。

 

「Lovely Lovely Strawberry」〜「幸せの雲」

MCを挟み、衣装を一部パージして動きやすくなったところでの「Lovely Lovely Strawberry」。最初白や青が多かったこの曲でピンクにする人が増えたのも時間の流れを感じます(中野の頃には既にその傾向はありましたが)。この曲のクラップパートが私は本当に好きで、会場がひとつになるのを感じます。この曲の最後、決めポーズが決まらず誤魔化して笑う久保さんが可愛かったので映像化本当に希望します。ね、ポニキャさん(2度目)。「今来たばっかり〜」などの茶番(失礼)なMCを挟んだ本編最後の曲は「幸せの雲」。リリースイベントでは振り入れなしのバージョンを披露したのですが、ダンスが加わった今回、この曲は違った顔を見せたと思います。BPMサウンド的にもダンサブルな曲でも全く問題ないんですよね。作詞に久保さんが参加した曲でもあり、彼女のどこかネガティブで、しかし、健気でひたむきな姿を連想せずにはいられない歌。最後の部分のコールレスポンスで「歌って ココロで 歌って コトバで 歌って 聞かせて」と久保さんに続けて歌う部分があるのですが、これが彼女の決意であり、私たちへのメッセージでもあり、このフレーズに込められた意味を噛み締めながらライブを閉じるのは本当に美しいなと感じました。

 

 

 

あれ、まだ「VIVID VIVID」の収録曲でやってない曲あるよね?という事で、アンコールの掛け声があがります。(この時のアンコールが途中「シカコ」コールに変わっていったのも今回のハイライト。今までのトークイベント等によく参加していた層とは異なる層の人たちも参加しているんだな〜と強く感じました。私は「シカコ」と呼ぶのに抵抗があるので、手拍子でアンコール、もとい、シカココールに参加しました。)

 

アンコール「そのままでいいんだよ」〜「旅風船」

「私がシカコで〜す」と、シカココールに答える形で登場した久保さん。こういう切り返しというか、ファンの一部が複雑な気持ちになりかねない所を上手く捌いていくのが久保さんらしいバランス感覚だと感心しました。もはや定番?な、アレンジしたライブTシャツにダメージジーンズ、物販で販売されていたネックレスを身につけて、ダンサーさんとふざけあうような振り付けを混ぜつつ「そのままでいいんだよ」を歌います。曲中ではシャボン玉が飛ぶ演出も。このライブめちゃ特効多いな...。続くMCでは写真集発売のお知らせもありました。来たる5/19、久保さんの誕生日当日にも奈良でのイベントを控えているので諸々の発表はその時に!と期待しておきます。ライブ最後の曲は「旅風船」。この曲はアルバム「VIVID VIVID」の最後のトラックであり、音楽活動休止前のナチュラルさを継承している曲でもあります。ライブパンフレットによるとこの曲は公募曲との事ですが、だからこそ今までの久保さんがしっかり表現された曲・歌詞なんだなと聴き入りました。「君に伝えたい ただいま」この歌詞こそが、アーティスト活動を再開した彼女が歌う心であり、言葉なのでしょう。

 

ライブを終えて

ここからは、一個人としての所感です。

ほとんど更新されないこのブログであっても、毎年イベントレポートを書く程度には、私は久保ユリカさんの熱心なファンであると自負しています。

長く久保ユリカさんを応援し、個人イベントに参加する度気にしている事があります。それは「久保ユリカ現場における内輪感」です。勿論、内輪であるのが悪いとは思いません。寧ろその心地よさがあったからこそファンを続けられているのかもしれません。イベントの参加者の事を内輪であると思ってくれているのなら、ファンとして悪い気はしませんしね。ただ、声優・歌手、はたまたモデルとして、もっと活躍してほしい!と思う気持ちもあります。その為には内輪感は妨げにもなり得ます。

しかし、今回のライブでは「内輪感」をある程度打破できていたのではないか、と思います。"魅せるライブ"というコンセプトに基づいて久保さんの歌、ダンサーズを連れてのダンス、様々なステージ映像や特殊効果といった演出、セットリストや幕間の工夫といった構成が練られており、総合的に見て観客を楽しませようという気概が感じられました。MCでも語られていましたが、このライブの為に通常よりも長い期間を準備に費やした、と話していました。つまり、このライブに久保さんは勿論、その周りの人も含めた多くの労力がかかっています。そして、その結果としてこれだけ、客観的に見ても"良い"と思えるライブが出来上がったのです。

 

彼女が2年前、歌手活動の休止を告げた理由は「声優活動に集中したい。充電期間が必要」との事でした。その言葉に違わず、この2年、様々なアニメやゲーム、ドラマCDにも出演していました。そして昨年の歌手活動再開宣言。そこからおよそ9ヶ月の準備期間を経て、2月の「VIVID VIVID」発売から5月のライブまでの3ヶ月間、久保さんはとても音楽活動に集中していたとファンの目線からも感じました。

ライブパンフレットのインタビューでは同レーベルの三森すずこさんを代表例として、彼女のように歌が上手く、忙しい中で声優も音楽もイベントも...とこなす人と、不器用な久保さん自身を比較していた、という発言がありました。しかし、休止期間を経て不器用でもひとつひとつ真摯に向き合っていくという姿勢を彼女自身が認められるようになった事、そして周りのスタッフがその考えを理解しバックアップする体制が再構築された事。そんな経緯があっての長い準備期間だったのでしょう。

実際、今回久保ユリカさんが世に送り出した楽曲群は他の声優さんと比べて(多少贔屓目に見る節はあれど)遜色ない曲・ライブでありました。

 

これからも続いていく(はずの)音楽活動ですが、今回と同じくクオリティを求めるのであればスローペースなリリースになるのは必然ではないかと思います。ゆっくりであったとしても一ファンとしては気長に待ち続けます。個人的な願望としては、やはりアニタイを歌ってほしいなと思います。個人としてタイアップを歌うのは中々勇気のいる事ですが知名度を上げ次のステージを目指すのであれば必要なことなのかな、とも。

 

写真集の発売も発表されたことですし、声優も、音楽も、モデルも、様々な分野で活躍する久保ユリカさんからまだまだ目が離せません。

次のイベントは誕生日当日。30歳(はやい)をお祝いしてきます。